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OpenFOAM の Windows 10 へのインストール

更新:2017/6/1
OpenFOAM 4.x

2016年8月のアニバーサリーアップデートで、Windows 10 に Bash on Ubuntu on Windows が提供される様になりました。 これによって Windows 10 で OpenFOAM の公式バイナリーを使用することができる様になりました。ここでは Windows 10 に OpenFOAM の公式パッケージをインストールし、実行する方法を説明します。

Windows 10 アニバーサリーアップデートのインストール

2016年9月以降、アニバーサリーアップデートは Windows Update 時に自動インストールされます。インストールされていない場合は以下の手順で Windows Update を適用します。

デスクトップ左下の検索で「更新プログラムのチェック」と検索し、設定画面を開きます。

「更新プログラムのチェック」の検索 「更新プログラムのチェック」の検索

左側にある「Windows Update」を選択し、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。アニバーサリーアップデートがインストールされていない場合は「Windows 10,バージョン 1607 の機能更新プログラム」と表示されるので「更新」をクリックしてインストールを行います。

更新プログラムのチェック 更新プログラムのチェック

Bash on Ubuntu on Windows の有効化

デスクトップ左下の検索で「Windows の機能の有効化または無効化」と検索し、設定画面を開きます。

「Windows の機能の有効化または無効化」の検索 「Windows の機能の有効化または無効化」の検索

「Windows Subsystem for Linux (Beta)」にチェックをいれてインストールを開始します。インストールが終了したら画面の指示に従ってマシンを再起動します。

Windows Subsystem for Linux の有効化 Windows Subsystem for Linux の有効化

再起動したら、デスクトップ左下の検索で「開発者向け設定」と検索し、設定画面を開きます。

「開発者向け設定」の検索 「開発者向け設定」の検索

設定画面で「開発者モード」にチェックを入れて有効化します。

開発者向け設定 開発者向け設定

Bash on Ubuntu on Windows の実行

適当な作業用フォルダを作成して、エクスプローラーのアドレス欄に「cmd」と入力してコマンドプロンプトを起動します。

作業フォルダでコマンドプロンプトを起動 作業フォルダでコマンドプロンプトを起動

コマンドプロンプトで「bash」と入力すると Bash が起動します。初回実行時のみ Bash のインストールと、Unix ユーザーアカウントの作成が行われるので適当なユーザー名、パスワードでアカウントを作成します。

以下の例では「D:\Workspace\OpenFOAM」フォルダでコマンドプロンプトを起動し、ユーザー名「MyName」としてアカウントを作成しています。パスワードは入力時には表示されないことに注意してください。

D:\Workspace\OpenFOAM>bash
-- ベータ機能 --
これにより Windows に Ubuntu がインストールされます。Ubuntu は Canonical によって配布される製品であり、
次のサイトに示される条件に基づいてライセンスされています。
https://aka.ms/uowterms

続行するには、"y" を入力してください: y
Windows ストアからダウンロードしています... 100%
ファイル システムを展開しています。この処理には数分かかります...
既定の UNIX ユーザー アカウントを作成してください。ユーザー名は、Windows のユーザー名と一致する必要はありません。
詳細: https://aka.ms/wslusers を参照してください
新しい UNIX ユーザー名を入力してください: MyName
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
passwd: password updated successfully
インストールが正常に終了しました
ドキュメントを参照できる場所: https://aka.ms/wsldocs
MyName@MyName-PC:/mnt/d/Workspace/OpenFOAM$

Bash が起動するとカレントフォルダ「D:\Workspace\OpenFOAM」が Unix ファイルシステムの「mnt」にマウントされます。

OpenFOAM のインストール

以下のコマンドで OpenFOAM のバージョン4がインストールされます。

$sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu
$sudo sh -c "wget -O - http://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -"
$sudo apt-get update
$sudo apt-get install openfoam4

次に以下のコマンドでユーザー設定を行います。この設定はインストール後に1度だけ行います。

$echo "source /opt/openfoam4/etc/bashrc" >> $HOME/.bashrc
$source $HOME/.bashrc

インストールが終わったら動作確認を行います。「simpleFoam -help」と入力して以下の様にヘルプが表示されれば OpenFOAM は正常にインストールされています。

$simpleFoam -help
Usage: simpleFoam [OPTIONS]
options:
  -case <dir>       specify alternate case directory, default is the cwd
  -noFunctionObjects
                    do not execute functionObjects
  -parallel         run in parallel
  -postProcess      Execute functionObjects only
  -roots <(dir1 .. dirN)>
                    slave root directories for distributed running
  -srcDoc           display source code in browser
  -doc              display application documentation in browser
  -help             print the usage

Using: OpenFOAM-4.0 (see www.OpenFOAM.org)
Build: 4.0-665f1db4c1f1

Xming のインストール

gedit や ParaView(paraFoam)、gnuplot といった Linux 用の GUI アプリケーションを Bash on Ubuntu on Windows から使用するためには X サーバーが必要です。以下のリンクから Windows 用 X サーバー「Xming」をダウンロードしてインストールします。Xming が起動されるとタスク・トレイに Xming のアイコンが表示されます。

Xming バージョン 6.9.0.31 インストーラー

Bash 上で以下の様に環境変数 DISPLAY を設定すると表示先として Xming が指定されます。この設定は Xming インストール後に1度だけ行います。

$echo "export DISPLAY=:0" >> $HOME/.bashrc
$source $HOME/.bashrc

次に Windows ログイン時に自動で Xming が起動するように設定します。Xming インストールフォルダ(デフォルトでは C:\Program Files (x86)\Xming )の「XLaunch.exe」をダブルクリックして起動します。

「Multiple windows」、「Display number」として0が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

ディスプレイ設定 ディスプレイ設定

「Start no client」が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

Xming 起動方法 Xming 起動方法

「Clipboard」のみがチェックされていることを確認して「次へ」をクリックします。

パラメーター設定 パラメーター設定

「Save configuration」ボタンを押して、設定ファイル「config.xlaunch」をフォルダ「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」に保存します。保存したら「完了」ボタンを押して設定を終了します。以上で次回以降、マシン起動にXmingが自動で起動します。

ParaFoam の起動 設定ファイルの保存
config.xlaunch の保存 config.xlaunch の保存

以上で Linux 用の GUI アプリケーションが実行できます。gedit、gnuplot がインストールされていない場合は以下のコマンドでインストールします。ParaView(paraFoam)は OpenFOAM インストール時に一緒にインストールされています。

$sudo apt-get install gedit gedit-plugins
$sudo apt-get install gnuplot gnuplot-x11 gnuplot-doc libgd-tools

それぞれ以下のコマンドでウィンドウが正常に表示されることを確認します。

  • gedit
    $gedit &
    
  • gnuplot
    $gnuplot
    gnuplot>plot cos(x)
    gnuplot>quit
    
  • ParaView
    $paraview &
    

OpenFOAM 動作テスト

OpenFOAM のチュートリアルとして用意されている Pitz&Daily 問題を計算して OpenFOAM の動作を確認します。以下のコマンドを順次、実行します。

$cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily .
$cd pitzDaily
$blockMesh
$simpleFoam
$paraFoam

「paraFoam」コマンドで ParaFoam(ParaView)が起動し、計算結果が読み込まれます。まずウィンドウ左側にある「Apply」をクリックします。

ParaFoam の起動 ParaFoam の起動

続いてツールバーにある「Time:」を「3」に変更します。

時刻の選択 時刻の選択

最後にツールバーにあるコンボボックスで変数として「U」(速度)を選択します。すると図の様に 3D ビューに速度の大きさがコンター表示されます。

変数の選択 変数の選択

これで Windows 10 への OpenFOAM のインストール、動作確認が終了しました。次回以降は以下の手順で OpenFOAM を使用することができます。

  1. コマンドプロンプトを起動
  2. 「bash」コマンドを実行
  3. OpenFOAM の各コマンド(blockMesh、simpleFoam、paraFoamなど)を実行。

アンインストール

インストールした OpenFOAM をアンインストールする場合は Bash 上で以下の様にします。

$sudo apt-get purge openfoam4

Bash そのものを Windows からアンインストールする場合はコマンドプロンプト上で以下の様にします。アンインストール後に再インストールするには「bash」コマンド、または「lxrun /install」コマンドを使用します。

>lxrun /uninstall /full

参照