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Elmer チュートリアル 2次元の流体・構造連成解析

Elmer 8.4

チュートリアル内容

流路中に弾性体の障害物が存在する場合を考えて、流体・構造の連成解析(Fluid-Structure Interaction、FSI)を行います。流路と弾性体の形状は以下の通りです。形状は in2d 形式(Netgen 形式)で定義されたファイル「obstacle_in_channel.in2d」をダウンロードして使用します。

解析モデル概要
解析モデル概要

流体は密度 1 kg/m3、粘性係数 0.1 Pa·s、構造(弾性体)は密度 1000 kg/m3、ヤング率 1000 Pa、ポアソン比 0.3 とします。連成は弱連成、2次元の定常解析を行います。また簡単のため乱流モデルは使用しません。

解析結果の可視化例
解析結果の可視化例

プロジェクトの作成

ElmerGUI を起動したらプロジェクトの新規作成プロジェクトの新規作成アイコンでプロジェクトを作成します。

まずSelect project dirボタンでファイル一式を保存するプロジェクト・フォルダを選択します。続いてGeometry fileラジオボタンを選択して、Select geometry fileであらかじめダウンロードしておいたファイル「obstacle_in_channel.in2d」を選択します。最後にダイアログ下部の右側のリストから「nonlinearelastity.xml」を選択し、<< Addボタンでプロジェクトに追加します。

OKボタンを押すとダイアログが閉じてプロジェクトが作成されます。

プロジェクトの新規作成
プロジェクトの新規作成ダイアログ

メッシュ作成

プロジェクトが作成されると指定した形状ファイルからメッシュが作成され、3D 表示されます。

プロジェクト作成初期状態
プロジェクト作成初期状態
3D 表示操作
選択回転拡大縮小平行移動
マウス左ボタン+ドラッグ マウス左ボタン+ドラッグ マウスホイール回転 マウス中ボタン+ドラッグ
マウス左ボタン ダブルクリック マウス左ボタン+ドラッグ マウスホイール回転 マウス中ボタン+ドラッグ

初期状態ではメッシュがあら過ぎるのでメッシュ設定メッシュ設定アイコンで設定ダイアログを開き、Max H:を「0.1」に設定してApplyを押します。

メッシュ設定ダイアログ
メッシュ設定ダイアログ

メッシュ再作成メッシュ再作成アイコンでメッシュを作成します。メッシュは数秒で作成されます。

再作成されたメッシュ
再作成されたメッシュ

解析設定

メニューの[Model]-[Setup...]で解析設定ダイアログを開き、Steady state max. iter を「100」、Output intervalを「0」に設定します。これで最大100サイクル分計算を行い、最終サイクルの結果のみを出力する設定になります。Applyボタンで設定を適用します。

解析設定ダイアログ
解析設定ダイアログ(赤線部の項目を編集)

ソルバー設定

次にソルバー(Elmerでは「Equation(方程式)」と呼ばれます)を設定します。この解析は流体・構造の連成解析なので2つのソルバーを設定します。

・流体用ソルバー

オブジェクトツリーの「Equation」の横にある[Add...]を押して方程式設定ダイアログを表示します。

オブジェクトツリー [Add...]
オブジェクトツリー [Add...]

ダイアログ上部のタブで Navier-Stokes タブを選択し、Active をチェック、Priority に「2」と入力、Apply to Bodies で「Body Property 1」をチェックします。

さらにEdit Solver Settingボタンでソルバー制御ダイアログを開き、Nonlinear System タブ で Max.iterationsを「1」、Relaxation Factorを「0.5」と入力してApplyボタンでダイアログを閉じます。

ソルバー制御ダイアログ
ソルバー制御ダイアログ

最後に Name に「Flow and mesh deform」と入力してOKボタンでダイアログを閉じます。

方程式設定ダイアログ(流体)
方程式設定(流体)

・構造用ソルバー

流体用ソルバーの場合と同様にオブジェクトツリーの「Equation」の横にある[Add...]を押して方程式設定ダイアログを表示します。

ダイアログ上部のタブで Nonlinear elasticity タブを選択し、Active をチェック、Priority に「1」と入力、Apply to Bodies で「Body Property 2」をチェックします。

さらにEdit Solver Settingボタンでソルバー制御ダイアログを開き、Nonlinear System タブ で Max.iterationsを「1」、Relaxation Factorを「0.5」と入力してApplyボタンでダイアログを閉じます。

最後に Name に「Elasticity」と入力してOKボタンでダイアログを閉じます。

方程式設定ダイアログ(構造)
方程式設定(構造)

以上で流体、構造用のソルバー設定がオブジェクトツリーに追加されます。ツリーに追加された設定をダブルクリックして開くと設定の変更や削除(ダイアログのRemoveボタン)を行うことができます。

ツリーに追加された設定
ツリーに追加された設定

次に流体と弾性体のそれぞれに対して物性値を設定し、さらに境界条件を設定します。

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