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オープンソースな CAE ソフトウェアのリスト

エンジニアリング用途で使用できる主なオープンソースなソフトウェアをまとめたリストです。GitHubのレポジトリーが無い場合はスター数をゼロにしています。

ソフトウェア名 種別 ライセンス GitHubスター数 概要
FreeCAD 形状作成 LGPL Version2 14379 オープンソースの3次元CADです。フィーチャーベースのパラメトリックCADで、STEP 形式、IGES 形式、STL 形式、OBJ形式などのファイルに対応しています。CAD カーネルは Open Cascade Technology(OCCT)です。開発は個人を中心とした FreeCAD コミュニティーで行われており、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
OpenFOAM(Foundation版) 流体 GPL Version3 1169 主に数値流体計算で使用される偏微分方程式ライブラリー、ソルバーです。パッケージ内に標準ソルバーが用意されているためプログラミングを行うことなく、流体の数値計算を実行することができます。開発元は The OpenFOAM Foundation 及び ESI Group で、対応 OS は Linux ですが、Widnwos、macOS でも動作させることができます。
OpenFOAM(ESI版) 流体 GPL Version3 0 主に数値流体計算で使用される偏微分方程式ライブラリー、ソルバーです。パッケージ内に標準ソルバーが用意されているためプログラミングを行うことなく、流体の数値計算を実行することができます。開発元は The OpenFOAM Foundation 及び ESI Group で、対応 OS は Linux ですが、Widnwos、macOS でも動作させることができます。
ParaView 可視化 BSD 1018 3次元データ可視化ソフトウェアです。主に科学計算分野(流体計算、構造計算など)でのデータ可視化に使用されます。内部的にサーバー・クライアント構造で作成されていて、数億~数十億メッシュの大規模データでも可視化が可能です。開発元は Kitware, Inc、サンディア国立研究所、ロスアラモス国立研究所で、対応 OS は Linux、Widnwos、macOSです。
CalculiX 構造 GPL Version2+ 20 構造計算分野で使用される有限要素法ソルバーです。ドイツのMTUエアロ・エンジンズ社の従業員チームによって開発されています。対応 OS は Linux、Irix ですがサード・パーティーによる Windows 版も入手可能です。
Palabos 流体 AGPL Version3 0 格子ボルツマン法に基づく流体計算ソルバー、ライブラリーです。開発は FlowKit 社とスイスのジュネーヴ大学で行なわれています。
OpenLB 流体 GPL Version2 18 格子ボルツマン法に基づく流体計算ソルバー、ライブラリーです。開発はドイツのカールスルーエ工科大学で行なわれています。macOS、Linux、Windows 上で動作します。
OpenModelica 1次元解析 GPL Version3 または OSMC パブリック・ライセンス 612 モデリング言語 Modelica のためのモデリング、シミュレーション環境です。GUI 上でコンポーネントを組み合わせてシステムを表現することでモデールベース設計(MBD)、1Dシミュレーションの実行、結果の表示ができます。Windows、Linux、macOS 上で動作します。
SALOME プリプロセッサー LGPL Version2.1 0 数値計算用の汎用プリプロセッサ・ポストプロセッサです。開発はフランス原子力庁(CEA)、フランス電力会社(EDF)、OpenCASCADE 社によって行なわれています。Linux、Windows で動作します。
Code_Aster 構造 GPL Version3 0 構造解析・熱解析用のソルバーです。開発はフランス電力会社(EDF)によって行なわれており、Linux で動作します。
Code_Saturne 流体 GPL Version2+ 165 流体解析用のソルバーです。開発はフランス電力会社(EDF)によって行なわれており、Linux で動作します。
SALOME-MECA 構造 GNU LGPL 0 汎用プリプロセッサ・ポストプロセッサの「SALOME」と構造解析・熱解析ソルバー Code_Aster をパッケージとして組み合わせたもので、Code_Aster の開発元によって配布されています。Linux で動作します。
DAKOTA 最適化 LGPL、(GUI は Eclipse Public License) 27 最適化のためのアプリケーションソフトウェアで、GUI 上で定義した設定に従ってパラメータースタディー、最適化を行うことができます。開発はサンディア国立研究所で行われ、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
OpenMDAO 最適化 Apache Version 2.0 419 Python で書かれた設計解析、最適化のためのフレームワークです。開発元は NASA グレン研究センターです。
KiCAD 回路設計 GPL Version3+ 1405 電子回路設計とプリント基板のための CAD です。回路設計、PCBレイアウト、ガーバーファイル作成・確認などが行えます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
SOLVESPACE 形状作成 GPL Version3 2700 オープンソースの3次元CADです。パラメトリックCADで、STEP 形式、DXF 形式、STL 形式、OBJ形式などのファイルに対応しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
OpenSCAD 形状作成 GPL Version2 5696 テキストベースの3次元 CAD です。スクリプトを記述することで形状を定義することができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
MeshLab 形状作成 GPL Version3 3824 作成済みの2次元表面メッシュを編集するためのソフトウェアです。メッシュの可視化、編集、クリーニング、修復、フォーマット変換、点群からのメッシュ作成などで使用されます。開発はイタリアの Visual Computing Lab で行われていて、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。また iOS、Android のための機能限定バージョンもあります。
Blender 形状作成 GPL Version2+ 8883 CG 用のモデリングソフトウェアです。SPHベースの粒子法ソルバーやレイトレーシング機能(Cycles)が付属しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
Gmsh メッシャー GPL Version2+ 0 3次元メッシャーです。CAD 機能とポストプロセッシング機能も用意されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
Netgen/NGSolve メッシャー、マルチフィジックス LGPL Version2.1 325 3次元メッシャーの Netgen と、有限要素法ソルバーの NGSolve で構成されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
TetGen メッシャー AGPL Version3+ 68 デローニー分割法ベースの3次元メッシャーです。
Impact 構造 GPL Version2 0 動的陽解法による構造解析ソルバーです。動的陽解法であるため、破断などの大変形の計算を行うことができます。 Linux、Widnwos、macOS など Java VMが動作する環境で動作します。
Z88OS 構造 GPL Version2 39 テキストベースの有限要素法ソルバーで、静的線形解析を行うことができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
Elmer マルチフィジックス GPL Version2 934 流体、構造、電磁、伝熱、音響の解析を行うことができ、またそれらを連成することができます。開発はフィンランドの CSC – IT Center for Science で行われていて、対応 OS は Linux、Widnwos です。
SU2 流体 LGPL Version2.1 1075 流体の数値計算を実行することができます。Adjoint 法ベースの形状最適化機能があり、また流速の速い圧縮性の流体に向いていると言われています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
EnergyPlus 電熱 BSD 889 テキストベースのソルバーで、暖房、クーラー、空調、照明を考慮した建築用のエネルギー計算を行うことができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
POV-Ray AGPL Version3 1205 レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
LuxCoreRender Apache Version 2.0 986 レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。物理ベースでのレンダリングを標榜しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
Radiance Radiance Software License Version 1.0(BSD ライク) 85 レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。計算がシンプルであり、設定が簡易である特徴があると公式ページでは説明されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
dolfyn 流体 Apache Version 2.0 0 流体用ソルバーです。Linux 上で動作します。
OpenMX 材料 GPL Version2 0 密度汎関数理論(DFT)、ノルム保存型擬ポテンシャルなどに基づいた計算によりナノスケールの材料シミュレーションを行うことができます。Linux 上で動作します。
DualSPHysics 流体 LGPL Version2.1+ 446 粒子法(SPH モデル)による流体用ソルバーです。粒子法ソルバーであるため界面が大変形するような混相流解析に向いています。対応 OS は Linux、Widnwos で、CPU だけでなく GPU での実行も可能です。
OpenDA データ同化 LGPL Version3 64 データ同化のためのフレームワークです。実験による測定データと数値モデルを組み合わせてモデルの改善を図ることができます。対応 OS は Linux、Widnwos です。
LAMMPS 離散要素法 GPL Version2 1712 主に材料モデリングを目的とした分子動力学計算用のソフトウェアで、並列性能に優れているとされています。サンディア国立研究所を中心に開発が進められており、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。
LIGGGHTS 離散要素法 GPL Version2+ 205 LAMMPS をベースに開発されている離散要素法(DEM)シミュレーターです。CADデータからの形状インポート、流体用メッシュの移動機能、熱連成機能などが追加されているそうです。対応 OS は Linux ですが、Widnwos、macOS でも動作させることができます。
preCICE 連成計算用フレームワーク GPL Version3 571 複数種類のソルバーを組み合わせて1つの計算を行うためのフレームワークです。例えば OpenFOAM などの流体計算用ソルバーと CalculiX などの固体計算用ソルバーを組み合わせて、流体の流れの圧力によって変形する固体の状態を計算することなどができます。対応 OS は Linux です。
Bullet 剛体計算 Zlib 10816 VR、ゲーム、視覚効果、ロボット工学、機械学習などのためのリアルタイム衝突検出およびマルチフィジックスシミュレーション用の物理計算エンジンです。
CloudCompare 点群処理 GPL Version2+ 2766 3D点群(および三角メッシュ)処理ソフトウェアです。もともとは、2つの3D点群(レーザースキャナーで得られたものなど)間、または点群と三角メッシュ間の比較を実行するために設計されました。巨大な点群(通常は1,000万点以上、2GBのメモリでは最大1億2,000万点)を扱うことを想定しています。
GROMACS 分子動力学 LGPL Version2.1 550 分子動力学、つまり数百から数百万の粒子を持つ系のニュートン運動方程式をシミュレートするための多機能パッケージであり、コミュニティ主導のプロジェクトです。
PIConGPU 電磁気 GPL Version3+ 629 完全相対論的、メニーコア、3D3Vパーティクルインセル(PIC)コードです。Particle-in-Cellアルゴリズムはプラズマ物理学の中心的なツールです。マクスウェル方程式に基づいてプラズマ中の電子とイオンの運動を計算することにより、プラズマのダイナミクスを記述します。
OpenSim 筋骨格 Apache Version 2.0 643 筋骨格系の構造モデルを開発し、動きの動的シミュレーションを作成できるソフトウェアです。
OpenRadioss 構造 AGPL Version3 431 陽解法有限要素法を使用した構造解析が可能。大変形、非線形解析などに強みがあります。
Hypre 構造 MIT license または Apache Version 2.0 515 大規模で疎な連立方程式を超並列コンピュータで解くためのマルチグリッド法を特徴とする高性能なプリコンディショナーとソルバーのライブラリです。
openEMS 電磁気 GPL Version3 308 FDTD法を用いたフリーでオープンな電磁界ソルバーです。MatlabやOctave、Pythonのためのスクリプトインターフェースがあります。
OpenVSP 形状作成 NASA Open Source Agreement Version 1.3 433 OpenVSP (Open Vehicle Sketch Pad)は NASA によって開発されたオープンソースのパラメトリック航空機ジオメトリツールです。航空機の3Dモデルを作成し、そのモデルの工学解析をおこなうことができます。
Chrono 剛体計算 BSD 1757 剛体計算を中心とした物理計算エンジンです。マルチボディダイナミクス、有限要素解析、粒状体ダイナミクス、流体-固体相互作用、地上車両シミュレーション、車両-地形相互作用のための機能を備えます。
waLBerla 大規模並列計算 GPL version3 0 waLBerla (widely applicable Lattice Boltzmann from Erlangen)は、大規模並列計算のためのフレームワークです。当初の目的であった 流体力学のための格子ボルツマンソルバーという当初の目的の他に、現在ではマルチグリッドや剛体力学のような他のアプリケーションのためのモジュールも含まれています。モジュール間の相互運用性、特に流体-粒子のカップリングに重点が置かれています。
MuJoCo 多関節構造 Apache Version 2.0 5928 MuJoCo (Multi-Joint dynamics with Contact)は、ロボット工学、バイオメカニクス、グラフィックス、アニメーション、機械学習など、環境と相互作用する多関節構造の高速かつ正確なシミュレーションを必要とする分野の研究開発を促進することを目的とした汎用物理エンジンです。
OpenFAST 風力タービン Apache Version 2.0 504 FAST v8をベースとした風力タービンのシミュレーションツールです。
Xcompact3d 流体 BSD 91 Xcompact3dは、乱流研究に特化した高次有限差分流体ソルバーのFortranベースのフレームワークです。最大の乱流スケールをシミュレートする直接および大規模渦シミュレーション(DNS/LES)専用で、産業用コードの汎用性とスペクトルコードの精度を組み合わせることができます。
MYSTRAN 構造 MIT License 20 MYSTRAN(My Structural Analysis)は、線形(すなわち、変位、力、応力が加えられる荷重に比例する)としてモデル化できる構造物のための汎用有限要素解析コンピュータープログラムです。
CP2K 材料 GPL version2 633 固体、液体、分子、周期、物質、結晶、生物系の原子論的シミュレーションを実行できる量子化学および固体物理学ソフトウェアパッケージです。CP2Kは、ガウス波と平面波の混合アプローチGPWおよびGAPWを使用したDFTなど、さまざまなモデリング手法のための一般的なフレームワークを提供します。サポートされているモデルは、DFTB、LDA、GGA、MP2、RPA、半経験的手法(AM1、PM3、PM6、RM1、MNDOなど)、および古典的力場(AMBER、CHARMMなど)があります。CP2Kは、分子動力学、メタ動力学、モンテカルロ法、エーレンフェスト動力学、振動解析、内殻準位分光、エネルギー最小化、およびNEBまたはダイマー法を使用した遷移状態の最適化のシミュレーションを行うことができます。
simVascular 血流 BSD 200 医用画像データのセグメンテーションから患者固有の血流シミュレーションおよび解析までの完全なパイプラインを提供します。特定の解剖学的領域で取得された3D医用画像データから、ヒト血管系の患者固有の幾何学モデルを作成するために使用される対話型アプリケーションです。これらのモデルは、様々な数値計算法を用いた血流シミュレーションの基礎として使用されます。
FEniCS 流体 GPL Version3 489 偏微分方程式(PDE)を解くためのオープンソースの計算プラットフォームです。FEniCSxを使用すると、ユーザーは科学的モデルを効率的な有限要素コードに素早く変換することができます。FEniCSxのハイレベルなPythonおよびC++インターフェースにより、簡単に使い始めることができますが、FEniCSxは経験豊富なプログラマーにも強力な機能を提供します。
SPlisHSPlasH 流体 MIT license 1296 物理ベースの流体シミュレーションのためのオープンソースライブラリです。このライブラリのシミュレーションは、複雑な流体効果をシミュレートするための一般的なメッシュレス・ラグランジアンア・プローチである Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH) 法に基づいています。SPH形式は、隣接する有限の粒子集合のみを考慮することで、流体粒子のある量を効率的に計算することを可能にします。SPH法の分野で最も重要な研究テーマの1つは非圧縮性流体のシミュレーションです。SPlisHSPlasHは、非圧縮性のシミュレーションのために、最新の圧力ソルバー(WCSPH, PCISPH, PBF, IISPH, DFSPH, PF)を実装しています。さらに、このライブラリは粘性、表面張力、渦度をシミュレートするためのさまざまな方法を提供します。