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OpenFOAM の Windows 10 へのインストール

更新:2018/10/20
OpenFOAM 6.x

2016年8月から Windows 10 に Windows Subsystem for Linux(旧称 Bash on Ubuntu on Windows、以下 WSL)が提供される様になり、これによって Windows 10 で OpenFOAM の公式バイナリーを使用することができる様になりました。ここでは Windows 10 に OpenFOAM の公式パッケージをインストールし、実行する方法を説明します。

Windows 10 を最新状態に更新

Windows 10 を WSL に対応した状態にするために以下の手順で Windows Update を適用します。

デスクトップ左下の検索で「Windows Update の設定」と検索し、設定画面を開きます。

「Windows Update の設定」の検索 「Windows Update の設定」の検索

「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。最新状態でない場合は更新プログラムが表示されるので「更新」をクリックしてインストールを行います。

更新プログラムのチェック 更新プログラムのチェック

Windows Subsystem for Linux の有効化

デスクトップ左下の検索で「Windows の機能の有効化または無効化」と検索し、設定画面を開きます。

「Windows の機能の有効化または無効化」の検索 「Windows の機能の有効化または無効化」の検索

「Windows Subsystem for Linux」にチェックをいれてインストールを開始します。インストールが終了したら画面の指示に従ってマシンを再起動します。

Windows Subsystem for Linux の有効化 Windows Subsystem for Linux の有効化

再起動したら、デスクトップ左下の検索で「開発者向け設定」と検索し、設定画面を開きます。

「開発者向け設定」の検索 「開発者向け設定」の検索

設定画面で「開発者モード」にチェックを入れて有効化します。

開発者向け設定 開発者向け設定

Ubuntu のインストール

次に Linux のディストリビューションの1つである Ubuntu をインストールします。

デスクトップ左下の検索で「Microsoft Store」と検索し、Microsoft Store を起動します。

「Microsoft Store」の検索 「Microsoft Store」の検索

Microsoft Store ウィンドウ右上の検索で「Linux」と検索し、「Windows で Linux を実行する」を開きます。

「Linux」の検索 「Linux」の検索
Windows で Linux を実行する Windows で Linux を実行する

ディストリビューションとして「Ubuntu」を選択し、「入手」を実行するとダウンロードが始まります。入手後、「起動」を実行すると Bash が起動します。

注意:OpenFOAM バージョン4したい場合は Ubuntu でなく「Ubuntu 16.04 LTS」を検索してインストールする必要があります。

Ubuntu の起動 Ubuntu の起動

初回実行時のみインストール処理と、Unix ユーザーアカウントの作成が行われるので適当なユーザー名、パスワードでアカウントを作成します。以下の例ではユーザー名「MyName」としてアカウントを作成しています。パスワードは入力時には表示されないことに注意してください。

Installing, this may take a few minutes...
Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username.
For more information visit: https://aka.ms/wslusers
Enter new UNIX username:MyName
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
passwd: password updated successfully
Installation successful!
To run a command as administrator (user "root"), use "sudo ".
See "man sudo_root" for details.
ht@ht-PC:~$

以上で Ubuntu のインストールが終了しました。以降、適当なフォルダを開き、エクスプローラーのアドレス欄に「wsl」と入力してエンターキーを押すとそのフォルダを作業フォルダとして Ubuntu の端末が起動します。

エクスプローラーから Ubuntu の端末を起動 エクスプローラーから Ubuntu の端末を起動

OpenFOAM のインストール

以下のコマンドで OpenFOAM のバージョン6がインストールされます。「openfoam6」の部分を「openfoam5」、「openfoam4」とするとバージョン5、バージョン4をインストールすることも可能です。

$sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu
$sudo sh -c "wget -O - http://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -"
$sudo apt-get update
$sudo apt-get install openfoam6

次に以下のコマンドでユーザー設定を行います。この設定はインストール後に1度だけ行います。OpenFOAM のバージョン5、バージョン4をインストールする場合は「openfoam6」の部分をそれぞれ「openfoam5」、「openfoam4」とします。

$echo "source /opt/openfoam6/etc/bashrc" >> $HOME/.bashrc
$source $HOME/.bashrc

インストールが終わったら動作確認を行います。「simpleFoam -help」と入力して以下の様にヘルプが表示されれば OpenFOAM は正常にインストールされています。

$simpleFoam -help


Usage: simpleFoam [OPTIONS]
options:
  -case        specify alternate case directory, default is the cwd
  -fileHandler <handler>
                    override the fileHandler
  -hostRoots <(((host1 dir1) .. (hostN dirN))>
                    slave root directories (per host) for distributed running
  -listFunctionObjects
                    List functionObjects
  -listFvOptions    List fvOptions
  -listRegisteredSwitches
                    List switches registered for run-time modification
  -listScalarBCs    List scalar field boundary conditions (fvPatchField<scalar>)  -listSwitches     List switches declared in libraries but not set in
                    etc/controlDict
  -listTurbulenceModels
                    List turbulenceModels
  -listUnsetSwitches
                    List switches declared in libraries but not set in
                    etc/controlDict
  -listVectorBCs    List vector field boundary conditions (fvPatchField<vector>)  -noFunctionObjects
                    do not execute functionObjects
  -parallel         run in parallel
  -postProcess      Execute functionObjects only
  -roots <(dir1 .. dirN)>
                    slave root directories for distributed running
  -srcDoc           display source code in browser
  -doc              display application documentation in browser
  -help             print the usage

Using: OpenFOAM-6 (see www.OpenFOAM.org)
Build: 6-e05f780ebc87

Xming のインストール

gedit や ParaView(paraFoam)、gnuplot といった Linux 用の GUI アプリケーションを WSL から使用するためには X サーバーが必要です。以下のリンクから Windows 用 X サーバー「Xming」をダウンロードしてインストールします。Xming が起動されるとタスク・トレイに Xming のアイコンが表示されます。

Xming バージョン 6.9.0.31 インストーラー

Bash 上で以下の様に環境変数 DISPLAY を設定すると表示先として Xming が指定されます。この設定は Xming インストール後に1度だけ行います。

$echo "export DISPLAY=:0" >> $HOME/.bashrc
$source $HOME/.bashrc

次に Windows ログイン時に自動で Xming が起動するように設定します。Xming インストールフォルダ(デフォルトでは C:\Program Files (x86)\Xming )の「XLaunch.exe」をダブルクリックして起動します。

「Multiple windows」、「Display number」として0が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

ディスプレイ設定 ディスプレイ設定

「Start no client」が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

Xming 起動方法 Xming 起動方法

「Clipboard」のみがチェックされていることを確認して「次へ」をクリックします。

パラメーター設定 パラメーター設定

「Save configuration」ボタンを押して、設定ファイル「config.xlaunch」をフォルダ「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」に保存します。保存したら「完了」ボタンを押して設定を終了します。以上で次回以降、マシン起動にXmingが自動で起動します。

ParaFoam の起動 設定ファイルの保存
config.xlaunch の保存 config.xlaunch の保存

以上で Linux 用の GUI アプリケーションが実行できます。gedit、gnuplot がインストールされていない場合は以下のコマンドでインストールします。ParaView(paraFoam)は OpenFOAM インストール時に一緒にインストールされています。

$sudo apt-get install gedit gedit-plugins
$sudo apt-get install gnuplot gnuplot-x11 gnuplot-doc libgd-tools

それぞれ以下のコマンドでウィンドウが正常に表示されることを確認します。

  • gedit
    $gedit &
    
  • gnuplot
    $gnuplot
    gnuplot>plot cos(x)
    gnuplot>quit
    
  • ParaView
    $paraview &
    

OpenFOAM 動作テスト

OpenFOAM のチュートリアルとして用意されている Pitz&Daily 問題を計算して OpenFOAM の動作を確認します。以下のコマンドを順次、実行します。

$cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily .
$cd pitzDaily
$blockMesh
$simpleFoam
$paraFoam

「paraFoam」コマンドで ParaFoam(ParaView)が起動し、計算結果が読み込まれます。まずウィンドウ左側にある「Apply」をクリックします。

ParaFoam の起動 ParaFoam の起動

続いてツールバーにある「Time:」を「3」に変更します。

時刻の選択 時刻の選択

最後にツールバーにあるコンボボックスで変数として「U」(速度)を選択します。すると図の様に 3D ビューに速度の大きさがコンター表示されます。

変数の選択 変数の選択

これで Windows 10 への OpenFOAM のインストール、動作確認が終了しました。次回以降は以下の手順で OpenFOAM を使用することができます。

  1. コマンドプロンプトを起動
  2. 「bash」コマンドを実行
  3. OpenFOAM の各コマンド(blockMesh、simpleFoam、paraFoamなど)を実行。

アンインストール

インストールした OpenFOAM をアンインストールする場合は Bash 上で以下の様にします。OpenFOAM のバージョン5、バージョン4をアンインストールする場合は「openfoam6」の部分をそれぞれ「openfoam5」、「openfoam4」とします。

$sudo apt-get purge openfoam6

Ubuntu そのものを Windows からアンインストールする場合はデスクトップ左下の検索で「プログラムの追加と削除」と検索し、「アプリと機能」で Ubuntu を検索してアンインストールします。

「プログラムの追加と削除」の検索 「プログラムの追加と削除」の検索
Ubuntu のアンインストール Ubuntu のアンインストール

参照