エンジン筒内の燃焼計算

OpenFOAM 4.x

ケース

$FOAM_TUTORIALS/combustion/engineFoam/kivaTest

概要

クランク角 -180° から 60° まで動作するピストンエンジン筒内の燃焼を計算します。メッシュは、あらかじめ KIVA 形式で用意されているメッシュファイルを OpenFOAM 形式に変換して使用します。モデル形状は下図のように cylinderHead(緑色部)、liner(赤色部)、piston(白色部) の3つの領域から構成されています。

モデル形状(上側) モデル形状(上側)
モデル形状(下側) モデル形状(下側)

エンジンの諸元はディレクトリ constant 内のファイル engineGeometry で以下のように定義されています。

engineMesh      layered;
conRodLength    conRodLength [0 1 0 0 0 0 0] 0.147;
bore            bore [0 1 0 0 0 0 0] 0.092;
stroke          stroke [0 1 0 0 0 0 0] 0.08423;
clearance       clearance [0 1 0 0 0 0 0] 0.00115;
rpm             rpm [0 0 -1 0 0 0 0] 1500;	

燃焼反応用の方程式の各設定値、着火位置などはディレクトリ constant 内のファイル combustionProperties で、また燃料、酸化剤、燃焼の生成物はディレクトリ constant 内のファイル thermophysicalProperties の「fuel」、「oxidant」、「burntProducts」でそれぞれ定義されています。

メッシュは以下の通りで、メッシュ数は27544です。

メッシュ(上側) メッシュ(上側)
メッシュ(下側) メッシュ(下側)
メッシュ メッシュ(XY面)
メッシュ メッシュ(XZ面)

計算結果は以下の通りです。

エンジン筒内の温度分布(T、ボリュームレンダリング)

XY 面(Z=0.07)、XZ 面(Y=0)でのクランク角 60° 時の流速、圧力、温度の分布は以下のようになります。図中の球は着火位置を示しています。

Z=0.07 面での流速分布(U) Z=0.07 面での流速分布(U)
Y=0 面での流速分布(U) Y=0 面での流速分布(U)
Z=0.07 面での流速分布(p) Z=0.07 面での圧力分布(p)
Y=0 面での圧力分布(p) Y=0 面での圧力分布(p)
Z=0.07 面での温度分布(T) Z=0.07 面での温度分布(T)
Y=0 面での温度分布(T) Y=0 面での温度分布(T)

またファイル logSummary.-180.dat に各クランク角における平均圧力、平均温度などが出力されます。

平均圧力(p) 平均圧力(p)
平均温度(T) 平均温度(T)
(k * 2/3)^1/2 の平均値 (k * 2/3)1/2 の平均値
1 - (b の平均値) 1 - (b の平均値)

実行コマンド

cp -r $FOAM_TUTORIALS/combustion/engineFoam/kivaTest kivaTest
cd kivaTest

kivaToFoam -file otape17
engineFoam

paraFoam

gnuplot
gnuplot>plot "logSummary.-180.dat" using 1:2 lc rgb "gray"
gnuplot>plot "logSummary.-180.dat" using 1:3 lc rgb "gray"
gnuplot>plot "logSummary.-180.dat" using 1:4 lc rgb "gray"
gnuplot>plot "logSummary.-180.dat" using 1:5 lc rgb "gray"

ユーティリティー kivaToFoam を使用して KIVA 形式(KIVA-3V 形式)のメッシュファイル otape17 を OpenFOAM 形式に変換して使用しています。

計算時間

21分33.99秒 ※シングル、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz

参照