$FOAM_TUTORIALS/combustion/fireFoam/les/flameSpreadWaterSuppressionPanel
空気が満たされた領域の床面の一部、領域 inlet(赤色部)からプロパンが流入し燃焼します。燃焼部側の壁(緑色部)は可燃性ですが表面に膜状の水を流して燃えにくくしています。また床、可燃壁以外の面は開放されているものとし、着火から10秒間分の計算を行います。
可燃性の壁、水の膜、空間側は別々に計算し、解をマッピングすることで全体の現象を計算します。
空間側の化学種、プロパン・空気による燃焼反応はディレクトリ constant 内のファイル reactions で以下のように定義されています。また各化学種の性質は同じディレクトリのファイル thermo.compressibleGas で定義されています。
species ( O2 H2O C3H8 CO2 N2 ); reactions { propaneReaction { type irreversibleinfiniteReaction; reaction "C3H8 + 5O2 + 18.8N2 = 3CO2 + 4H2O + 18.8N2"; } }
これら2つのファイル reactions、thermo.compressibleGas をディレクトリ constant 内のファイル thermophysicalProperties 内で読み込むことで設定が行われます。
またディレクトリ constant 内のファイル pyrolysisZones で可燃壁を、ファイル surfaceFilmProperties で水の薄膜を定義しています。
壁の材質や燃焼反応はディレクトリ constant/pyrolysisRegion 内のファイル reactions で以下のように定義されています。壁の材質(wood)が燃焼し、煤(char)と気体(gas)に変わっていることがわかります。
species ( wood char ); gaseousSpecies ( gas ); reactions { charReaction { type irreversibleArrheniusSolidReaction; reaction "wood^4.86 = char + gas"; A 7.83e10; Ta 15274.57; Tcrit 400; } }
メッシュは以下の通りです。
計算結果は以下の通りです。二酸化炭素の分布では描画にボリュームレンダリングを使用しています。
可燃壁側の温度分布は以下の通りです。着火と同時に温度が上がりますが、水の薄膜の影響で次第に温度が下がっていく様子がわかります。
また最終時刻での可燃壁側の材料の体積率は以下の通りです。領域中央の燃焼の激しい部分で体積率が減少していることがわかります。
4分46.04秒 ※シングル、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz