直接シミュレーション・モンテカルロ法による酸素・窒素の混合気体の計算(一様流れ)
OpenFOAM 4.x
ケース
$FOAM_TUTORIALS/discreteMethods/dsmcFoam/freeSpaceStream
概要
直接シミュレーション・モンテカルロ(Direct Simulation Monte Carlo, DSMC)法を使って、酸素と窒素の混合気体の流れを計算します。DSMC 法は1960年代に G. A. Bird によって提案された手法で、ボルツマン方程式を使って希薄気体の流れを計算するものです。
気体の物性などの設定はディレクトリ constant のファイル dsmcProperties で、初期状態はディレクトリ system のファイル dsmcInitialiseDict で定義されています。
モデルの X、Y、Z 軸方向のサイズはそれぞれ10 cm、8 cm、8 cm で、それぞれの面には境界条件として流速 (1325, -352, 823) m/s が設定されています。
モデル形状
ディレクトリ 0 にある各変数の意味は以下の通りです。
- boundaryT - 境界温度
- boundaryU - 境界速度
- dsmcRhoN - DSMC粒子の密度
- fD - 力密度(force Density、応力ベクトル)
- q - 壁面熱流束
- iDof - 内部自由度の密度
- internalE - 内部エネルギー密度
- linearKE - 1次運動エネルギー密度
- momentum - 運動量密度
- rhoM - 質量密度
- rhoN - 数密度
- dsmcSigmaTcRMax - 各セルでの「sigmaT × cR」の最大値(Bird p220 を参照)
計算結果は以下の通りです。
最終時刻での平均流速
最終時刻での DSMC 粒子の分布
可視化操作の手順
DSMC 粒子を可視化するには paraFoam コマンドで ParaView にデータを読み込み後、パイプラインブラウザーの Properties タブで以下の様に設定して再度 Apply ボタンを押します。
- Mesh Parts リストでは「dsmc」のみチェック
- Volume Fields リストは全てのアイテムのチェックを外す
- Lagrangian Fields リストは全てのアイテムをチェック
表示アイテムの選択
実行コマンド
cp -r $FOAM_TUTORIALS/discreteMethods/dsmcFoam/freeSpaceStream freeSpaceStream
cd freeSpaceStream
blockMesh
dsmcInitialise
dsmcFoam
paraFoam
計算時間
31分40秒 ※シングル、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz
参照