$FOAM_TUTORIALS/discreteMethods/dsmcFoam/wedge15Ma5
直接シミュレーション・モンテカルロ(Direct Simulation Monte Carlo, DSMC)法を使って、酸素・窒素の混合気体の超音速流が斜面に衝突する様子を解析します。DSMC 法は1960年代に G. A. Bird によって提案された手法で、ボルツマン方程式を使って希薄気体の流れを計算するものです。
気体の物性などの設定はディレクトリ constant のファイル dsmcProperties で、初期状態はディレクトリ system のファイル dsmcInitialiseDict で定義されています。
モデル形状は以下の通りで、幅45.7 cm、高さ30.0 cm、奥行き0.84 cm です。境界のうち領域 flow は流速 (1736, 0, 0) m/s、領域 obstacle はすべり無し壁としています。
またディレクトリ system のファイル controlDict でファンクション・オブジェクトを使用して、各時刻で領域 obstacle に働く力とモーメントを出力するよう設定しています。これらの値はディレクトリ postProcessing/forces1/0 内にファイル forces.dat として出力されます。
ディレクトリ 0 にある各変数の意味は以下の通りです。
計算前にはメッシュが作成されます。メッシュは以下の通りです。
計算結果は以下の通りです。
また先に説明した通り、各時刻での領域 obstacle に働く力とモーメントがファイル postProcessing/forces1/0/forces.dat に出力されます。力とモーメントはそれぞれ圧力(pressure)、せん断応力(viscous)、多孔質体からの寄与(porous)に分けて出力されます。
プロセッサーごとに分割したデータをコマンド reconstructPar で結合する際にオプション -noLagrangian を付けて不要なラグランジアン系のデータは結合しないようにしています。
2分51.54秒 ※4並列、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz