スプリンクラーによる物体の冷却
OpenFOAM 4.x
ケース
$FOAM_TUTORIALS/lagrangian/reactingParcelFilmFoam/hotBoxes
概要
温度300 K の直方体と床面を持つ領域に2ヵ所のスプリンクラーから水を散布し、直方体と床面が冷却され、水が蒸発する様子を計算します。全体で2秒間分の計算を行ないます。
モデル形状
離散粒子の物性はディレクトリ constant 内のファイル reactingCloud1Properties で定義されています。液膜モデルは同じディレクトリのファイル surfaceFilmProperties で定義されています。
メッシュは以下の通りです。
メッシュ
液膜モデル用のメッシュ
計算結果は以下の通りです。
離散粒子と壁面の温度分布(T)
水滴が触れた位置で壁面の温度が下がっていることがわかります。またいったん床面に水が広がりますが(時刻1秒)蒸発によって床面の水の量が減っていることがわかります(時刻2秒)。
時刻0.1秒での離散粒子と壁面の温度分布(T)
時刻0.5秒での離散粒子と壁面の温度分布(T)
時刻1秒での離散粒子と壁面の温度分布(T)
時刻2秒での離散粒子と壁面の温度分布(T)
空間側の断面での水の分布は以下の様になります。壁面からの蒸発によって空間側に水が分布していく様子がわかります。
時刻0.1秒での水の分布(H2O)
時刻0.5秒での水の分布(H2O)
時刻1秒での水の分布(H2O)
時刻2秒での水の分布(H2O)
実行コマンド
cp -r $FOAM_TUTORIALS/lagrangian/reactingParcelFilmFoam/hotBoxes hotBoxes
cd hotBoxes
cp -rf 0.orig 0
# create the underlying block mesh
blockMesh
# ベースメッシュを作成
topoSet
# 障害物を作成 - 障害物パッチを wallFilm パッチに追加
subsetMesh c0 -patch wallFilm -overwrite
./patchifyObstacles
# 押し出しによって液膜モデル用のメッシュを作成
extrudeToRegionMesh -overwrite
changeDictionary
# 設定を液膜モデル用にコピー
rm -rf system/wallFilmRegion
cp -r system/wallFilmRegion.orig system/wallFilmRegion
find ./0 -maxdepth 1 -type f -exec sed -i -e "s/wallFilm/\"(region0_to.*)\"/g" {} \;
paraFoam -touch
paraFoam -touch -region wallFilmRegion
decomposePar -region wallFilmRegion
decomposePar
mpirun -np 4 reactingParcelFilmFoam -parallel
reconstructPar -region wallFilmRegion
reconstructPar
paraFoam
ユーティリティー extrudeToRegionMesh を使った押し出し操作によって液膜モデル用のメッシュを作成しています。
計算時間
7時間31分42.19秒 ※4並列、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz