$FOAM_TUTORIALS/lagrangian/reactingParcelFoam/verticalChannelLTS
流入側は三叉路、流出側は1つの出口になっている流路内の定常流れを計算します。3つの流入口うち、両側からは473 K、中央からは573 K の空気が流入します。ただし流入する空気には1 % の水(液体)が含まれているものとします。モデルの Z 軸方向は対称面であるとし、それ以外の壁面はすべり無し壁とします。また Y 軸負方向を重力方向とします。
モデル(全体)
モデル(流入口側拡大)
計算手法として局所時間刻み(LTS、ローカルタイムステッピング)を使用して定常状態を計算します。局所時間刻みは、メッシュサイズに合わせて各メッシュごとに時間刻みを変化させることで高速に定常状態を計算する手法です。局所時間刻み機能はディレクトリ system 内のファイル fvSchemes で以下のように ddtSchemes として「localEuler」を設定することで有効になります。
ddtSchemes
{
default localEuler;
}
また同じディレクトリ内のファイル fvSolution で以下のように時間刻み最大幅(maxDeltaT)、クーラン数(maxCo)などのパラメーターを設定しています。
PIMPLE
{
nOuterCorrectors 1;
nCorrectors 2;
nNonOrthogonalCorrectors 0;
momentumPredictor yes;
rhoMin 0.1;
rhoMax 1.5;
maxCo 2.5;
rDeltaTSmoothingCoeff 0.5;
alphaTemp 1;
maxDeltaT 1;
}
ディレクトリ constant 内のファイル reactingCloud1Properties で「phaseChangeModel liquidEvaporation」を設定して、水が蒸発するようにしています。
またディレクトリ system 内のファイル controlDict で以下のように設定して、出口領域 outlet での水量、温度の加重平均を出力しています。
functions
{
surfaceRegion1
{
type surfaceRegion;
libs ("libfieldFunctionObjects.so");
writeControl writeTime;
log yes;
writeFields no;
regionType patch;
name outlet;
operation weightedAverage;
weightField phi;
fields
(
H2O
T
);
}
}
メッシュは以下の通りです。メッシュ数は93400です。
流入口側のメッシュ
流出口側のメッシュ
計算結果は以下の通りです。結果はいずれも最終サイクルでのものです。
流路を進むにつれて温度の高い中央の流路では水が蒸発して熱を奪い、(体積の)割合が増えていることがわかります。
流入口側の温度分布(T)
三叉路の終了部の温度分布(T)
流出口側の温度分布(T)
流入口側の水の分布(H2O)
三叉路の終了部の水の分布(H2O)
流出口側の水の分布(H2O)
流入口側の空気の分布(air)
三叉路の終了部の空気の分布(air)
流出口側の空気の分布(air)
出口領域での水量、温度の加重平均は以下のようになります。
各計算サイクルでの水量の加重平均の変化(H2O)
各計算サイクルでの温度の加重平均の変化(T)
potentialFoam を使用して事前に初期条件を作成しています。
5分59.06秒 ※シングル、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz