キーワードのタイプ:ステップ
このオプションを使用すると単点拘束や多点拘束で固定されていない、モデル上の任意の節点に集中熱フラックスを適用することができます。オプションパラメーターとしては OP、AMPLITUDE、TIME DELAY、USER、ADD があります。OP は値として NEW または MOD を取ることができます。デフォルトは OP=MOD で、これは前のステップで種々の節点に適用された集中フラックスを維持することを意味します。ある節点のフラックスを指定すると、前のステップで定義された節点のフラックスが値でその値が置き換えられます。同じステップで同一節点にフラックスを定義すると値が加算されます。OP=NEW は前のステップで適用された集中フラックスを全て取り除くことを意味します。1つのステップに複数の *CFLUX カードが存在する場合は最初の *CFLUX のパラメーターのみが有効になります。
AMPLITUDE パラメーターを使用すると振幅を指定することができ、これによってフラックス値を増減させることができます(主に非線形静解析・動解析で使用されます)。*CFLUX カードで入力された値は基準値と解釈され、これに(時刻に依存する)振幅値がかけられて実際の値が求められます。ステップ終了時には基準値はその時刻での実際の値で置き換えられます。明示的に振幅を再定義するか、TIME=TOTAL TIME を使用して振幅を定義しない限り、以降のステップではこの値は一定値を保ちます。TIME=TOTAL TIME を使用している場合は振幅は有効なままになります。節点、自由度を指定して AMPLITUDE の設定された *CFLUX カードを定義している場合には、その節点、自由度と同じステップ内で定義された古い *CFLUX カードすべてに対してその振幅が定義されることに注意してください。同様に節点、自由度を指定して AMPLITUDE の設定されていない *CFLUX カードを定義している場合には、その節点、自由度と同じステップ内で定義された古い *CFLUX カードすべてに対して振幅定義が無効化されます。
TIME DELAY パラメーターでは AMPLITUDE パラメーターを変更できます。このため TIME DELAY では頭に AMPLITUDE 名を追加する必要があります。TIME DELAY は時間シフトで、これによって指定された AMPLITUDE 定義は正の時間方向に移動します。例えば TIME DELAY に10を指定すると時刻 t での振幅が時刻 t-10 で適用されます。TIME DELAY パラメーターは同一のキーワード・カード内で一度だけ使用できます。
USER パラメーターが選択されるとユーザーサブルーチンcflux.fを呼び出して集中フラックス値が決定されるようになります。ユーザーサブルーチンはユーザーが作成する必要があります。この設定は *CFLUX キーワードの下に挙げられた全ての節点に適用されます。温度自由度の後に指定されたフラックス値は全て無視されます。USER パラメーターが選択されている場合には AMPLITUDE パラメーターは無視されるので使用しない方がいいでしょう。
ADD パラメーターを使用すると同じ節点に定義されているフラックスに加算するフラックスを指定できます。この時、フラックスが定義されているのが現在のステップか、過去のステップかは関係しません。
*CFLUX カードの使用は熱伝達計算、または熱-機械連成計算でのみ意味を持ちます。熱フラックスは自由度11に割り当てられます。
1行目:
以降の行:
例: *CFLUX,OP=NEW,AMPLITUDE=A1 10,11,15.
上記では古い集中熱フラックスを全て取り除いて、節点10に大きさ15のフラックスと(温度自由度である)自由度11に対する振幅 A1 を設定しています。
サンプルファイル: oneel20cf