このセクションでは CalculiX の入力について説明します。
ジョブ名はコマンドラインで -i フラグの後ろの引数を指定することで定義されます。CalculiX は開始時に「ジョブ名.inp」という名前のファイルを探します。従って実行ファイルが「CalculiX」、入力デッキが「beam.inp」の場合には以下の様にしてプログラムを実行します。
CalculiX -i beam
-i フラグを省略して CalculiX の直後にジョブ名を指定することもできます。
CalculiX は「ジョブ名.dat」と「ジョブ名.frd」という名前の出力ファイルを生成します。後者は cgx を使用して可視化することが可能です。
ステップが *FREQUENCY ステップまたは *HEAT TRANSFER,FREQUENCY ステップで STORAGE=YES パラメーターが有効化されている場合には CalculiX は固有周波数、固有モード、愚性行列、質量行列が保存された「ジョブ名.eig」というバイナリーファイルを生成します。またステップが *MODAL DYNAMIC ステップまたは *STEADY STATE DYNAMICS ステップの場合には CalculiX は同名のファイルを探します。もし必要なファイルが存在しない場合には CalculiX はエラーメッセージを出力して停止します。
入力デッキは基本的にはキーワードのセットからなり、各キーワードが必要とするデータがキーワードの下の行に続きます。キーワードと同じ行にはカンマで区切られたパラメーターがともなう場合があります。パラメーターが値を必要とする場合にはパラメーターと値を統合で結ばなければなりません。入力に含まれる空白は特に意味を持たず、好きなように挿入することができます。キーワードとその他の英数字情報は大文字、小文字、それらの混合で描くことができます。入力デッキでは大文字・小文字は区別されず、内部的には全ての英数字は大文字に変換されます。データには決まった形式はなく、カンマで区切られます。1行に含めることのできるのは各キーワード定義で決められた数までのデータです。材料やセットなどのユーザー定義名の最大長さは特に指定がない場合は80文字です。入力デッキ構造は最初のステップ定義の前に置かれた幾何形状、位相形状、材料のデータと続くひとつ以上のステップで定義された荷重データ(機械的、熱的、所定変位)で構成されます。ユーザーは全てのデータが(計算に現れない単位も含めて)一貫した単位で指定されていることを確認する必要があります。
キーワードはステップ型かモデル定義型のどちらかです。モデル定義カードは最初の *STEP カードの前に使用しなければなりません。ステップ・キーワードはステップの中でだけ使用することができます。モデル定義キーワードの中でも、材料に関するものは特別な位置を占めています。これらキーワードは材料の性質を定義し、*MATERIAL カードに続けてグループ化されていなければなりません。
節点と要素のセットでは同じ名前を同時に使うことができます。内部的にはこれらの名前は大文字に変換された後、節点セットの場合は「N」が、要素セットの場合は「E」が名前の後ろに付け加えられます。従ってエラーメッセージや警告メッセージではセット名は大文字で描かれ末尾に「N」または「E」がついた状態で書き出されます。
アルファベット順でのキーワード・カードは以下の通りです。