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単位

たびたび議論となる重要な問題は単位に関するものです。有限要素のプログラムは単位については何も関知しません。ユーザーは単位には注意しなければなりません。実際のところ、たったひとつの黄金律があります:ユーザーは入力した数字が間違いなく一貫した単位を持つことを確かめるということです。数字の単位は必要に応じて自由に選ぶことができます。熱機械問題であれば4つの単位、例えば長さ、質量、時間、温度を選ぶことができます。それらを選べば他は全て決定されます。もしそれらの量に SI 単位系、つまり長さに m、質量に kg、時間に s、温度に K を選べば、力は kgm/s2=N、圧力は N/m2=kg/ms2、密度は kg/m3、熱伝導率は W/mK=J/smK=Nm/smK=kgm2/s3mK=kgm/s3K、比熱は J/kgK=Nm/kgK=m2/s2K といった風になります。鉄の密度は SI 系では7800 kg/m3です。

もし長さにmm、質量にg、時間にs、温度にKを選べば力は gmm/s2 になり、熱伝導率は gmm/s3K となります。{mm, g, s, K} 系では鉄の密度は7.8×10-3で、これは7800 kg/m3=7800×10-6 g/mm3であるためです。

しかし一方で他の量を独立したものとして選ぶこともできます。私の会社でよく使われる単位系は長さに mm、力に N、時間に s、温度に K を選ぶというものです。この場合には力=質量 × 長さ / 時間2ですから、質量 = 力 × 時間2 / 長さ となります。この場合、Ns2/mm が質量、Ns2/mm4 が密度です。従って {mm, N, s, K} 系では鉄の密度は7.8×10-9で、これは7800 kg/m3=7800 Ns2/m4=7.8×10-9/mm4であるためです。

4つの基本単位を完全に自由に選べるわけではないということに注意してください。力、質量、長さ、時間の単位を基本単位として選ぶことはできません。これらは 力 = 質量 × 長さ / 時間2 という式を通じて互いに結びついているためです。

最後に例をいくつか付け加えておきます。鉄のヤング率は 210000 N/mm2=210000×106 N/m2=210000×106 kg/ms2=210000×106 g/mms2です。SI 系でのこの値は210×109{mm, g, s, K} 系では210×109{mm, N, s, K} 系では210×103になります。鉄の熱容量は446 J/kgK=446 m2/s2K=446×106 mm2/s2K なので、SI 系では446.、{mm, g, s, K}系と{mm, N, s, K} 系では446×106になります。

1に3つの異なる系である{m, kg, s, K} 系、{mm, N, s, K} 系、{cm, g, s, K} 系でよく使われる単位をまとめておきます。

表 1:異なる単位系でよく使われる単位
記号 意味 m,kg,s,K mm,N,s,K cm,g,s,K
E ヤング率 $ 1 \frac{N}{m^2 } = 1 \frac{kg}{m s^2 }$ $ = 10^{-6}\frac{N}{mm^2 }$ $ = 1 \frac{g}{mm s^2 }$
ρ 密度 1 $ \frac{kg}{m^3 } $ $ = 10^{-12}\frac{Ns^2}{mm^4 }$ $ = 10^{-6} \frac{g}{mm^3 }$
F $ 1 N = 1 \frac{kg m}{ s^2 }$ =1N $ = 10^{6} \frac{g\: mm}{s^2 }$
cp 比熱 $ 1 \frac{J}{kg K} = 1 \frac{m^2}{ s^2 K}$ $ = 10^{6}\frac{mm^2}{s^2 K }$ $ = 10^6 \frac{mm^2}{s^2 K }$
λ 伝導率 1 $ \frac{W}{m K } = 1 \frac{kg m}{s^3 K }$ $ = 1\frac{N}{s K }$ $ = 10^6 \frac{g\: mm}{s^3 K}$
h 境膜係数 $ 1 \frac{W}{m^2 K } = 1 \frac{kg}{s^3 K }$ $ = 10^{-3}\frac{N}{mm\: s K }$ $ = 10^3 \frac{g}{s^3 K }$
μ 動粘性係数 $ 1 \frac{N s}{m^2 } = 1 \frac{kg}{m s }$ $ = 10^{-6}\frac{N s}{mm^2 }$ $ = 1 \frac{g}{mm\: s }$


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guido dhondt 2016-03-08