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Zienkiewicz-Zhu の誤差推定量

Zienkiewicz-Zhu の誤差推定量[80]、[81]は有限要素離散かによる誤差を推定しようというものです。これを行なうには各節点で改善された応力を計算し、誤差をこの応力と標準的な有限要素処理で計算した応力の差として定義します。

標準的な有限要素処理を使って取得される各節点での応力は積分点での応力を外挿したものです[18]。実際のところ、力学計算における基本的な未知数は変位です。変位の微分によってひずみが得られ、適切な材料法則を適用することでこれを応力に変換できます。剛性行列を得るために使われる数値積分の性質上、ひずみと応力は積分点で最も制度が高くなります。標準的な有限要素処理ではこの積分点の値から節点の値が外挿されます。この外挿はそれぞれの要素の種類に応じたやり方で行なわれます[18]。普通、節点はひとつ以上の要素に所属しています。標準的な処理では各要素の応力値が節点に平均的に分配されます。

より正確な節点での応力値を決定するため、Zienkiewicz-Zhu の方法はまず低減積分点での応力から開始されます。これが適用されるのは2次要素だけです。低減積分プロシージャの存在するのはこれらの要素だけだからです(C3D20R以外の要素では通常の積分点が代わりに使用されます)。低減積分点は超収束点、つまり要素内の他のどの点よりも値の大きさのオーダーが正確である点です[7]。節点での応力を改善するために要素パッチが定義されます。要素パッチは普通、その接点が所属する全ての要素から構成されます。ただし境界の4面体要素ではパッチにはそれ以外の要素も含まれることがあります。次に関係する要素の形状関数として使用されている単項式から多項式関数が定義されます。ここでも精度を改選するために他の単項式が考慮される場合があります。多項式の係数は、パッチの低減積分点でこの多項式が(最小二乗法で)できるだけ応力と合うように定義されます。最後にこの多項式を評価して節点での改善された応力が計算されます。これが全ての応力成分に対して個別に行なわれるのです。CalculiX での実装に関するより詳細な説明については[51]を参照してください。

CalculiX では *EL FILE キーワード・カードの下で ZZS を選択することで改善された CalculiX-Zhu 応力を出力することができます。これが使用できるのは4面体要素と6面体要素だけです。4面体要素、6面体要素、そのほかの種類の要素に属する節点の中で、6面体要素だけが定義済み改善応力に使用されます。もし節点が6面体要素に属していない場合、存在すれば4面体要素が使用されます。


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guido dhondt 2016-03-08