キーワードのタイプ:ステップ
このプロシージャは構造体の座屈荷重を決定するのに使用されます。存在する場合には最後の非摂動な *STATIC ステップで有効な荷重が規定荷重として取得され、*STEP カードで摂動パラメーターが指定されている場合には設定されます。前の摂動ステップでの荷重は全てステップ開始時に取り除かれ、座屈ステップ内で指定された荷重だけが荷重が起こるまで加え続けられます。今のところ、座屈荷重による応力剛性だけが考慮され、本来起きるであろう大変形剛性は無視されています。
座屈ではどの最低固有値がスカラーでになるのかという固有値問題が生じます。座屈ステップでの荷重にそれをかけて座屈荷重を求める必要があるのです。このため一般的に必要なるのは最低固有値だけです。この値は座屈係数とも呼ばれ、常に .dat ファイルに保存されます。
唯一のパラメーターは SOLVER です。このパラメーターはどのソルバーを使って座屈荷重による応力剛性を決定と線形方程式系の分解を行なうかを指定するものです。この分解は1度だけ行なわれ、固有値(座屈係数)を決定するための反復処理で繰り返し使われます。選択できるのは以下のソルバーです。
デフォルトは「SGI、PARDISO、SPOOLES、TAUCS」の中でインストールされていて、リストで最初に来るものです。どれもインストールされていない場合には固有値解析は行なえません。
SGI ソルバーは最速ですが、プロプライエタリです。もし SGI 製のハードウェアを所有していれば科学計算パッケージも持っているはずです。このパッケージには SGI 疎系ソルバーが含まれています。SPOOLES も非常に高速ですが複数コアで実行する機能がなく、解ける系のサイズは使用する RAM メモリーのサイズによって制約を受けます。RAM が2GBの場合には250,000までの式が解けます。TAUCS も良いですが、個人的には LLT 分解でしか使用したことがありません。この解法が適用できるのは陽な有限系だけです。このソルバーは複数コアでの実行機能があり LU 分解にも対応していますがあまりうまく実行できたことはありません。PARDISO は Intel 製のプロプライエタリなソルバーです。
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固有値は「ジョブ名.dat」のファイルに自動的に保存されます。
例: *BUCKLE 2
上記では2つの最低座屈モードとそれに対応する座屈係数を計算しています。精度を出すためにランチョス・ベクトルの数とイテレーションの回数はデフォルトのものを使用しています。
サンプルファイル: beam8b、beamb