キーワードのタイプ:モデル定義
このキーワードを使用すると周期対称計算で使用する周期対称構造体のセクター数と対称軸を定義できます。使用するには事前に2つの *SURFACE カードでセクターの左右の境界に属する節点を定義し、*TIE カードでそれらの面を結び付けておく必要があります。対称軸はグローバル直交座標上の a と b の2点で定義されます。
パラメーターは N、NGRAPH、TIE、ELSET、CHECK の5つです。セクター数を指定するパラメーター N は必須で、複数の周期対称連結が定義されている場合には TIE が必要になります。
パラメーター NGRAPH はオプションで、いくつのセクターで解を .fed ファイルに保存するかを指定します。NGRAPH=N と設定すると N 個のセクターで解の構造体全体が保存され、後で可視化することができます。デフォルトは NGRAPH=1 です。データムセクター複製の回転方向は従属面(スレーブ)から独立面(マスター)へ向かう方向です。
パラメーター TIE は適用される周期対称モデル定義の連結拘束の名前を指定します。定義されている *TIE カードが1つだけの場合には指定する必要はありません。
ELSET で指定された要素セットはパラメーター NGRAPH が適用される要素を指定します。*TIE カードが1つだけの場合にはデフォルトはモデル全体になります。
最後のパラメーター CHECK は、CalculiX が形状に基づいたセクター角度と N に基づいた角度を比較するかどうかを指定します。CHECK=NO が指定された場合には検査は行なわれませんが、それ以外の場合は行なわれます。微小な節点直径での固有モードを求めたい場合、つまり位相シフトがセクター角度よりも小さい振動を求めたい場合には、モデルのセクター数を超える N の値を指定する必要があります。そのような場合には検査を無効にする必要があります。
1つの入力デッキ内で複数の *CYCLIC SYMMETRY MODEL カードを使用して、同一モデルに複数の周期対称性を定義することが可能です。ただしこれは近似されたものです。1つのモデルにが複数の周期対称性を持つことは現実にはありえません。適切な結果が求まるのは、異なる *CYCLIC SYMMETRY MODEL カードでの N の値が大きく変化しない場合だけです。
*CYCLIC SYMMETRY MODEL カードはスレーブ側とマスター側の間に周期対称な多点拘束を作成します。節点が1対1対応しない場合にはスレーブ節点はマスター面に接続されます。そのためにマスター面は3角形分割されます。3角形分割の結果はファイル TriMasterCyclicSymmetryModel.frd に保存され、CalculiX GraphiX で可視化することが可能です。
1行目:
例: *CYCLIC SYMMETRY MODEL, N=12, NGRAPH=3 0.,0.,0.,1.,0.,0.
上記では30°のセクターと点(0.,0.,0.)、点(1.,0.,0.)を通る対称軸で構成される周期対称構造を定義しています。解は、3つの連結されたセクター(120°)で保存されます。
サンプルファイル: segment、fullseg