次へ 上へ 前へ 目次へ
次へ:*STEP 上へ:Input deck format 前へ:*STATIC 目次へ


*STEADY STATE DYNAMICS

キーワードのタイプ:ステップ

このプロシージャを使用すると周期的な荷重に対する構造体の定常状態応答を計算することができます。動的計算による定常までの変形は非線形にすることができますが、このプロシージャは基本的には線形であり、応答は構造体の最低モードの線形結合として書き表せると仮定されます。このため、それらのモードを前もって *FREQUENCY,STORAGE=YES ステップで計算しておく必要があります(同じ計算である必要はありません)。*STEADY STATE DYNAMICS ステップでは固有周波数、モード、剛性・質量行列が「ジョブ名.eig」というファイルから復元されます。

調和荷重の場合には定常状態応答はユーザーによって指定された周波数範囲で計算されます。ユーザーは、この範囲内のデータ点数 n を決めることもできます。デフォルトは20、最小値は2です(2よりも小さい値を n に設定するとデフォルト値が使用されます)。指定された範囲内に固有モードがない時、この値は低い側の境界周波数、高い側の境界周波数が含まれた取得されたデータ点の総数になります。指定された範囲内にひとつ以上の固有モードがある場合には n-2 個の点が低い側の境界周波数と最低の固有周波数の間から、n-2 個が範囲内の残りの固有周波数から、n-2 個が最高の固有周波数と高い側の境界周波数の間からとられます。結果として指定された領域に m 個の固有周波数が含まれる場合には (m+1)(n-2)+m+2=nm-m+n 個のデータ点がとられることになります。ユーザーがバイアス値として1を指定した場合、固定された点(低い側の境界周波数、高い側の境界周波数、固有周波数)の間ではこれらデータ点は等間隔になります。異なるバイアス値を指定した場合にはデータ点は固定された点の周りに集まっていきます。バイアス値のデフォルトは3.0、可能な最小値は1.0です(1.0よりも小さい値が指定された場合はデフォルト値が使用されます)。使用される固有モードの数は以前の *FREQUENCY ステップのものが使用されます。定常状態動計算は摂動ステップなので古い荷重は全て取り除かれます。このステップで定義された荷重には、存在する場合には荷重カードの AMPLITUDE パラメーターでの指定に従って各荷重の振幅履歴がかけられます。この文脈では AMPLITUDE は荷重係数と周波数の関係として解釈されます。周波数の範囲を超えた部分の荷重履歴は一定のやり方で外挿されます。荷重カードに AMPLITUDE パラメーターが無い場合には荷重は周波数に依存しません。

非調和荷重の場合には1周期にわたる荷重は非調和で、時間領域で指定しなければなりません。このための時間間隔の開始時刻と終了時刻、その時間間隔での荷重は *AMPLITUDE カードで指定することができます。デフォルトでは間隔は$ [0.,1.]$でステップ荷重になります。非調和荷重で *AMPLITUDE に指定するのは振幅と時刻の関係であることに注意してください。さらに非調和な荷重を展開する際のフーリエ項の数を指定することも可能です(デフォルトは20)。残りの入力は調和荷重と同じで、ユーザーは周波数領域、その範囲でのデータ点数、バイアス値を指定することができます。

オプションパラメーターは HARMONIC、SOLVER の2つです。HARMONIC=YES(デフォルト)で周期荷重は調和に、HARMONIC=NO で非調和になります。パラメーター SOLVER は非ゼロ変位境界条件が存在する場合に定常状態解を解くのに使われるパッケージを決定します。以下のソルバーを選択することができます。

デフォルトは「SGI、PARDISO、SPOOLES、TAUCS」の中でインストールされていて、リストで最初に来るものです。どれもインストールされていない場合にはエラーになります。

SGI ソルバーは最速ですが、プロプライエタリです。もし SGI 製のハードウェアを所有していれば科学計算パッケージも持っているはずです。このパッケージには SGI 疎系ソルバーが含まれています。SPOOLES も非常に高速ですが複数コアで実行する機能がなく、解ける系のサイズは使用する RAM メモリーのサイズによって制約を受けます。RAM が2GBの場合には250,000までの式が解けます。TAUCS も良いですが、個人的には LLT 分解でしか使用したことがありません。この解法が適用できるのは陽な有限系だけです。このソルバーは複数コアでの実行機能があり LU 分解にも対応していますがあまりうまく実行できたことはありません。PARDISO は Intel 製のプロプライエタリなソルバーです。


1行目:

HARMONIC=YES(デフォルト)の場合の2行目: HARMONIC=NO の場合の2行目:

例:
*STEADY STATE DYNAMICS
12000.,14000.,5,4.

上記では周波数範囲[12000., 14000.]、データ点数5、バイアス値4.の定常状態動プロシージャを定義しています。

例:
*STEADY STATE DYNAMICS,HARMONIC=NO
2.,4.,3,1.,11,0.,.5

上記では時間領域で定常状態動プロシージャを定義しています。周期全体は時間間隔[0., 0.5]で定義され、考慮されるフーリエ項の数は11です。この間隔内に固有周波数がない場合、計算は周波数間隔[2., 4.]上の等距離な3点、つまり2サイクル/時間、3サイクル/時間、4サイクル/時間で行なわれます。


サンプルファイル: beamdy8、beamdy9、beamdy10、beamdy11、beamdy12、beamdy13


次へ 上へ 前へ 目次へ
次へ:*STEP 上へ:Input deck format 前へ:*STATIC 目次へ
guido dhondt 2016-03-08