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未知量の初期化

構造系とネットワークの求解は交互に行なわれます。ネットワークのループの開始時に未知量(質量流量、全温度、全圧)は初期化されます。気体ネットワークの場合にはとりわけこれが重要になります。初期値は開始時での解として使用されるからです。気体方程式は非常に非線形性が強く、適切な初期推定値を選ぶことでニュートン・ラフソン法の収束を大幅に加速できる(あるいは初期位置で収束を可能にできる)場合があります。

まず最初に初期圧力分布が決定されます。これを行なうために圧力境界条件が設定された節点の圧力値が v(2,i) に保存されます。ここで i はグローバル節点番号です。圧力境界条件が設定されていない場合、節点が属する要素の番号にマイナスをつけたものが同じフィールドに保存されます。節点が1つの要素にだけ属する場合、それは境界節点であり、最小の圧力境界条件よりもわずかに小さい仮想的な初期圧力がそこに設定されます。以上で全ての境界節点に値が設定されていることが保証されました。他の全ての節点での初期値はネットワークのラプラス方程式を解くことで決定されます。つまりある節点での値は周りの全節点の平均値となるのです。さらに現実的な分布を得るためにこれらの値は逆タンジェント関数によって偏向させられます。つまりネットワーク上流側の値は下流側よりもゆっくりと減少する様になります。

initialnet.f の開始時に考慮されるもう1つの項目は節点が属する気体パイプ、リストリクター要素の数です。終端節点 i が属する気体パイプ、リストリクタータイプの要素が2つ以下で、さらに他の要素に属さない場合にはグローバル要素番号の1つが ineighe(i) に保存され、その要素での質量流量を使用する他の変数から静温度が決定されます。それ以外の場合には節点は全、静の両値が一致する大きなタンクと見なされます。

温度初期条件は 293K に固定されています(温度境界条件が適用されていない節点のみ)。一般的に温度初期条件は全体の収束性に大きな影響は与えません。幾何的な諸量の初期値はゼロですが、仕切弁では初期値は最小許容値0.125になります(参照 liquidpipe.f)。

全温度と全圧にもとに要素方程式を使用して要素の質量流量が決定されます。これは(iflag=1 で特徴づけられる)要素ルーチンの2番目の処理として行なわれます。

最後にタンクと見なされていない節点での静温度が全圧、全温度、質量流量に基づいて計算されます。


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guido dhondt 2016-03-08