機械の軸、リンク、摺動片等は圧力によりて生ずる摩擦を減ずるため、工作を精密にし且充分に給油を行うものにして軸受類は第一類に集められたるものあるが本類も特にこれらを集む。鋼球(ボール)コロ(ローラー)等は座金と共に特種鋼を焼入れて特に硬くし且精密に研磨す。コロは角線金巻バネ形のもの、円錐形のもの等種々の変態あり。
3, 3 及び 4, 4 は並行軸を有する同大の小車にして大車 1 の軸 2 を支う。大車 1 の軸 2 は二つの小車の谷に支えられて小車上に転がるにより 3, 4 は比較的遅く回転し摩擦消耗動著く軽減す。西暦 1780 年始めてアトウード重力測定機に用いらる。
上図は台 1 を運搬する貸車にして 3 は車軸。2 は四個の車輪。
下図は荷物 1 と地盤の上に数多のコロ(丸棒なり)2 を置きてその上に荷物を転がす。何れも重き荷物を軽く運搬し得。
数多のコロ(丸棒)2 が車 4 のボスの間に入る。コロ 2 の転動のために軸 1 の摩擦が著く軽減せらる。上述の考案を軸受に応用せしものはコロ軸受 Roller bearing なり。
ナット 5 を締付て 3, 4, 6 を一体と為す。2, 3 の間に数多の球が入る。因て 2 は甚だ軽く回転す。自転車のハブ等に応用せらる。
数多の球 1 を上下の盃形座金が挟む。本図は縦軸の底軸受に応用せられたる例を示す。
縦軸受に応用せられたる例を示す。内輪 2 及び外輪 3 は円錐コロ 1 の軸を支う。コロはその角項が縦軸線上にある様にし最大頂角 15° にして普通 7 内外とす。上下座金 7, 8 はコロと接する角度にす。又左図の如く球 9 を入れて外向き推力の摩擦を軽減するものあり。
円錐軸 8 はその位置にて回転し 9 は架構の一部を示す。8 の周囲に数多の 8 と同勾配のコーン(円錐)1 を (625) と同様の方法にて円板 2, 3 に其軸箱を貫かしむ。コーンが摩滅せしときは 10 を捻じて接触間隙を少なくす。自動車に応用せらる。
縦軸 1 を支うるに四例の薄き円座金 3 を以てす。油は 4 より入りて 3 の中央に至る。高速回転用に適す。理由―座金 3 はそれぞれ滑りて各間の滑べりの速さ減ずるにより摩擦減ず。油は中央の孔より遠心力にて外方へ送られ給油完全なり。座金の一組が焼付く事あるも他の座金が滑るにより故障を生せず。
縦軸を支ける軸受。左図の底部 5 は砲金もしくは焼入研磨せる鋼片。右図は焼入せる鋼片 4, 5 を以てす。2 は砲金を普通とす。(624), (625), (627) も亦縦軸受の例なり。
縦軸 1 はその上端にメタル 5 を有し之がメタル 6 に触る。圧力ある油を油管より送り 5, 6 両面に注ぐ。止ナット 3, 3 は軸 1 を上げもしくは下げ且その位置に安置せしむなる加減用ナット。5 はキー 8 にて軸 1 に取付き 6 はピン 10 にて枠 2 と取付く。
軸 1 には数多の鍔 2 を作り之がメタル 3 に触る。3 の内面に減摩合金を張る。軸の方向へ推力の加わる船用機関等に用いらる。