繊維挙動(張力のみ)、コンクリート(圧縮応力のみ)をシミュレートするために使用できる材料モデルがあります。簡単に言えば第1応力と第1ひずみの間に1次元のHooke型の関係を持たせることで、圧縮応力の範囲を狭めたり(張力のみ材料)、引っ張り応力の範囲を狭めたりすることげできるのです。
Cauchy-Green テンソルはその固有値と固有ベクトルを使って以下の様に書くことができます。
(158) |
ここで Mi はを満たす構造テンソル。Ni は第1方向[18]。ここから第2 Piola-Kirchhoff 応力テンソルは以下の様に定義できます。
(159) |
張力のみの材料の場合、以下の様になります。
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ここで E は弾性係数、最初のかっこ内の項はラグランジュ第1ひずみ、四角かっこ内の項は負の応力(圧力)を抑制するための補正項です。これは負のひずみを(最小許容ラグランジュひずみは-0.5)をゼロ、大きな正のひずみを1とし、ゼロひずみ付近の領域ではそれを切り替えるような関数になっています。この領域の有無はパラメーター ε で制御されます。この値を小さくすると繊維領域が小さくなり(切り替えがシャープになり)ます。これはひずみに対して単調増加する関数なので収束が保証されます。補正項は現実には存在しない理論上の項で式(60)と図(112)のペナルティー接触での引っ張り応力をカットオフするために使用されます。「距離重複」と「圧力」を「第1ひずみ」と「第1応力」に置き換えると、この図は関数 f のものに変わります。圧縮応力は抑制されますが、完全にゼロになるわけではありません。最大許容圧縮応力は(絶対値で)Eε/π になります。また E と ε を選ぶ代わりにユーザーは E と最大許容圧縮応力を定義することもできます。この場合はその定義値から ε が決定されます。
材料定義は、材料名を定義する *MATERIAL から構成されます。この名前は必ず「TENSION_ONLY」から始まり、80文字以内でなければなりません。残りの68文字に関しては自由に設定することができます。材料定義内では *USER MATERIAL カードは以下を満たす必要があります。
1行目:
以降の行:
圧力応力のみの材料では材料名は「COMPRESSION_ONLY」で開始されなければならず(残った最大64文字をユーザーが使用できます)、2番目の定数が最大許容張力になります。テストサンプルパッケージの leifer2 と concretebeam がサンプルになります。