これは G. Holzapfel ら[30]によって動脈壁をモデル化するために考案されたモデルです。異方的な超弾性モデルで、等方的な Neo-Hooke ポテンシャルの基本材料として繊維方向には指数的な強化項が追加されています。ポテンシャルの数学的な形は以下の様になります。
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ここで x < 0 では 〈x〉 = 0 、x ≥ 0 では 〈x〉 = x です。従って圧縮に対して繊維は何ら力を分担しません。この材料はもともとは動脈のために定義されたものですが、強化ナイロンなどそれ以外の繊維強化材料に対してもよく当てはまります。この実装されている材料モデルでは4種類までの異なる繊維を組み合わせて使うことができます。材料定義は、材料名を定義する *MATERIAL から構成されます。この名前は必ず「ELASTIC_FIBER」から始まり、80文字以内でなければなりません。残りの67文字に関しては自由に設定することができます。材料定義内では *USER MATERIAL カードは以下を満たす必要があります。
1行目:
繊維方向を選択している場合の以降の行:
複数(最大4)の繊維方向が選択されている場合、1つの繊維方向を特徴づける4つの入力値を、続く方向のために繰り返してください。1行につき、許される入力値は8つ未満です。足りない場合は次の行に継続して入力してください。
例: *MATERIAL,NAME=ELASTIC_FIBER *USER MATERIAL,CONSTANTS=18 1.92505,0.026,0.,0.7071,2.3632,0.8393,0,-0.7071, 2.3632,0.8393,0.7071,0.,2.3632,0.8393,-0.7071,0., 2.3632,0.8393
4つの異なる繊維方向(0,0.7071,0.7071)、(0,-0.7071,0.7071)、(0.7071,0.,0.7071)、(-0.7071,0.,0.7071)に対して弾性繊維材料を定義しています。定数は C10=1.92505、D1=0.026、k1i=2.3632、k2i=0.8393 ∀i ∈ {1,2,3,4} です。