このプロシージャはコリオリ力を考慮した固有値、固有モードを計算するために使用されます。回転座標系で計算を行なう際にはこの力が働きます。回転速度を定義するための *DLOAD カードを *FREQUENCY ステップで使用すると自動的にコリオリ力が有効化されます。ただし多くの問題ではコリオリ力は非常に小さいので無視するとことが可能です。これらが重要になるのは非常に柔軟な回転構造体で、例えば長い回転軸に取り付けられた薄い円盤といったもの(回転運動状態)です。
コリオリ力が存在する場合には支配方程式は以下の様に変化します。
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周波数(*FREQUENCY)解析ではコリオリ行列 [C] の項がありません。さて上式の解はコリオリ力のない固有モードの線形結合と見なせます。
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この式を支配方程式に代入し、左側から {Uj}T をかけると以下の様になります。
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この式を各 j の値ごとに書きくだすと以下の形の固有値問題になります。
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これは非線形固有値問題で、ニュートン・ラフソン法で解くことができます。計算の初期値は *FREQUENCY ステップでの固有値、その他の値です。まれに固有値が見つからない場合もあります(最後の固有値を指定した場合に起きることが多いです)。
固有値は実数になりますが、通常、固有モードは複素数です。従って *NODE FILE の下では、変位の実部と虚部を出力する U を指定する代わりにサイズと位相を出力する PU を指定した方がいいでしょう。後者の情報があれば CalculiX GraphiX でモードを適切に可視化することができます。
最後に、CORIO タイプの *DLOAD は CalculiX では必要ないということに注意してください。先行する *STATIC ステップで CENTRIF タイプの荷重を設定するだけで十分です。通常のプロシージャは以下のようになります。