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*DFLUX

キーワードのタイプ:ステップ

このオプションを使うと分布熱フラックスを規定することができます。これには要素面の表面フラックス(単位面積、単位時間あたりのエネルギー)、物体の体積フラックス(単位体積、単位時間あたりのエネルギー)も含まれます。

どの面にフラックス指定するかを設定するために面には番号が付けられています。番号は要素タイプによって変わります。

6面体要素では以下の様に面番号が付けられます(数字は節点番号)。

4面体要素の場合

ウェッジ要素の場合

4角形の平面応力要素、平面ひずみ要素、軸対称要素の場合

3角形の平面応力要素、平面ひずみ要素、軸対称要素の場合

4角形シェル要素の場合

3角形シェル要素の場合

ラベル NEG と ラベル POS は一様フラックスにのみ使用可能で、ABAQUS との互換性のために用意されています。ラベル1とラベル2は、3D拡張されたシェルのブリック面ラベルと対応していることに注意してください(図59)。

ビーム要素の場合

ビーム面番号は、3D拡張されたビームのブリック面ラベルと対応していることに注意してください(図64)。

表面フラックスは分布フラックスタイプのラベル Sx をつけて一様フラックスとして入力します。ここで x は面番号です。フラックスは物体に流入する方向が正、流出する方向が負です。フラックスが非一様な場合はラベルは SxNUy という形式になり、ユーザーサブルーチンdflux.fで必ずフラックスの値を設定する必要があります。ラベルの長さは最大20文字です。具体的に言えば y には非一様フラックスを区別するための(最大16文字の)文字列を設定できるということです。

物体が生成するフラックス(単位体積、単位時間あたりのエネルギー)では分布フラックスタイプのラベルは、一様フラックスが BF、非一様フラックスが BFNUy になります。非一様なフラックスではユーザーサブルーチン dflux を必ず設定する必要があります。ここでも y には非一様な体積フラックスを区別するための(最大16文字の)文字列を設定できます。

オプションパラメーターは OP、AMPLITUDE、TIME DELAY です。OP は値として NEW または MOD を取ることができます。デフォルトは OP=MOD で、これは前のステップで種々の面に適用された表面フラックスを維持することを意味します。ある面の分布フラックスを指定すると、前のステップで定義された面のフラックスが値でその値が置き換えられます。同じステップで同一面にフラックスを定義すると値が加算されます。OP=NEW は前のステップで適用された表面フラックスを全て取り除くことを意味します。1つのステップに複数の *DFLUX カードが存在する場合は最初の *DFLUX のパラメーターのみが有効になります。

AMPLITUDE パラメーターを使用すると振幅を指定することができ、これによってフラックス値を増減させることができます(主に非線形静解析・動解析で使用されます)。*DFLUX カードで入力された値は基準値と解釈され、これに(時刻に依存する)振幅値がかけられて実際の値が求められます。ステップ終了時には基準値はその時刻での実際の値で置き換えられます。明示的に振幅を再定義するか、TIME=TOTAL TIME を使用して振幅を定義しない限り、以降のステップではこの値は一定値を保ちます。TIME=TOTAL TIME を使用している場合は振幅は有効なままになります。非一様なフラックスの場合には AMPLITUDE パラメーターは無視されます。節点、自由度を指定して AMPLITUDE の設定された *DFLUX カードを定義している場合には、その節点、自由度と同じステップ内で定義された古い *DFLUX カードすべてに対してその振幅が定義されることに注意してください。同様に節点、自由度を指定して AMPLITUDE の設定されていない *DFLUX カードを定義している場合には、その節点、自由度と同じステップ内で定義された古い *DFLUX カードすべてに対して振幅定義が無効化されます。

TIME DELAY パラメーターでは AMPLITUDE パラメーターを変更できます。このため TIME DELAY では頭に AMPLITUDE 名を追加する必要があります。TIME DELAY は時間シフトで、これによって指定された AMPLITUDE 定義は正の時間方向に移動します。例えば TIME DELAY に10を指定すると時刻 t での振幅が時刻 t-10 で適用されます。TIME DELAY パラメーターは同一のキーワード・カード内で一度だけ使用できます。

*DFLUX に続く行で要素セットを使用する場合には、そのセットは以下のグループ{平面応力、平面ひずみ、軸対称要素}、{ビーム、トラス}、{シェル、膜}、{体積要素}を複数含んではいけないことに注意してください。


1行目:

以下の行は表面フラックスのための設定です。

必要な場合はこの行を繰り返します。

以下の行は体積フラックスのための設定です。

必要な場合はこの行を繰り返します。

例:
*DFLUX,AMPLITUDE=A1
20,S1,10.

上記では振幅 A1 の10倍の大きさで要素20の面1へ流入するフラックスを設定しています。

例:
*DFLUX
15,BF,10.

上記では大きさ10.0で要素15へ流入する体積フラックスを設定しています。


サンプルファイル: oneel20df、beamhtbf


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guido dhondt 2016-03-08