キーワードのタイプ:モデル定義、材料
このオプションを使用すると徐々に変化する塑性材料の塑性プロパティーを定義することができます。オプションパラメーターは HARDENING です。デフォルトでは HARDENING=ISOTROPIC で、これ以外の値としては移動硬化 HARDENING=KINEMATIC、等方硬化と移動硬化の結合 HARDENING=COMBINED、ユーザー定義の硬化曲線 HARDENING=USER があります。定数は全て温度依存可能です。このカードを使う場合には同じ材料定義内で事前に *ELASTIC カードで材料の等方弾性プロパティーを定義しておく必要があります。ユーザー定義の硬化曲線はユーザーサブルーチン uhardening.f で定義する必要があります。
弾性データが等方性の場合には[68]、[69]で取り上げる大ひずみ粘塑性理論が適用されます。弾性データが直交異方性の場合にはセクション6.8.11で議論される無限小ひずみモデルが使用されます。直交異方性材料に対して *PLASTIC カードが使用されている場合には LAW=USER オプションを使用することはできません。従って弾性を持つ直交異方性材料では硬化は線形にしかなりません。さらに硬化曲線の温度データ点が *ELASTIC 温度データ点と一致していない場合、これらのデータ点は後者のデータ点から内挿して求められます。従って弾性を持つ等方性材料の硬化曲線の定義では弾性データと温度データの位置を一致させた方がいいでしょう。
塑性出力変数の選択についてはセクション 6.8.6 を参照してください。
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以下の行のセットは HARDENING=ISOTROPIC の場合には等方性硬化曲線を、HARDENING=KINEMATIC や HARDENING=COMBINED の場合には移動硬化曲線を定義します。
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温度依存性全体を定義するのに必要なだけのセットを使用します。
HARDENING=COMBINED 等方性硬化曲線の定義ではキーワード *CYCLIC HARDENING が使用されます。
例: *PLASTIC 800.,0.,273. 900.,0.05,273. 1000.,0.15,273. 700.,0.,873. 750.,0.04,873. 800.,0.13,873.
上記では2つの応力-ひずみ曲線を定義しています。ひとつは温度 T=273 でのもの、もうひとつは T=873 でのものです。T=273 での曲線は点(800.,0.)、(900.,0.05)、(1000.,0.15)をつないだもので、T=873 での曲線は(700.,0.)、(750.,0.04)、(800.,0.13)をつないだものです。曲線の最初の点は初期降伏を表し、ゼロ相当塑性ひずみでのフォン・ミーゼス応力を与えることに注意してください。
サンプルファイル: beampd、beampiso、beampkin、beampt